総会報告

 2015年 第39回定期総会報告
    ★来賓挨拶 小前孝夫さん(大山乳業農協専務理事)、高木英次さん(ホクレン名古屋支店長)
★議事  前年度報告・会計報告・新年度予定・新年度予算案・新年度役員・常任委員全て承認されました。
★生産者のお話@ 酪農指導部 今吉正登さんのお話  
★生産者のお話A 酪農家 小前孝夫さんのお話 
 
来賓挨拶 
こんにちわ。鳥取からまいりました大山乳業農業協同組合常務理事の小前といいます。
本日は39回の定期総会開催おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
日頃より、私たちの生産した牛乳・乳製品をお取引いただいてそのご愛顧に感謝申し上げます。ありがとうございます。
この4月から乳業の厳しい経営状況ということで、消費者の皆さんに乳価の値上げに伴って、価格の改定のご無理を言ったところであります。未来ネットさんにおかれましても、ご理解をいただきました。それで4月・5月は、値上げの緩和ということで、会で負担されるというふうにお聞ききしております。
 
小前孝夫さん
(大山乳業農協 専務理事)
育て上げられた牛乳への思い・また会員さんを大切にしておられるということを強く感じたところであります。
わたくども大山乳業農業協同組合も、酪農家が出資し自らが、乳業工場を建設して、生産から処理販売まで 一貫した体系をとっている専門の  協同組合です。 よい牛乳・生乳でなければよい製品ができない、ということで組合員全員が認識して、よい牛乳の生産に努めているところであります。
今新しい動きとして 衛生的成分の指標でもあります体細胞数(あとで体細胞数についてはお話させていただきたいと思いますが)その取引基準を30万から40万に緩和しようという動きがあります。全国的に生乳の生産が落ち込んでおりまして、その不足分を少しでも増やそうという考えのもとにそういうことがとられようとしております。そんな中でありますが、大山乳業としては基準を緩和することなく今まで通りの基準で生産に取り組むことを決めて組合員に通知しているところです。また供出乳の生産ができるように、体系も今まで以上に厳しくとはいきませんが、続けていこうと思っているところであります。
そんな中でありますが、一生懸命供出乳の生産に努めていきたいと思っているところです。
先ほど総会資料を見ても、代表さんのお話にもありましたが、会員さんも取扱い量も少し減少気味だなと見させていただきました。本物を求められる大山のノンホモ牛乳の輪がどんどん広がることが、わくしたち生産者にとっての生産意欲の源でもありますので、未来ネットさんが元気でしっかり牛乳を打っていただきますようお願い申し上げます。
最後になりますが会のご発展と会の皆様方のご多幸をお祈りして、開会のお祝いの言葉とさせていただきます。
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 共同購入グループとは30年来の付き合い、未来ネットさんとは17年前からお付き合いさせて頂いた中で感じた『人の価値観の違い』をお話します。
 まずは皆様のような都会の方とわたくし共の産地であります田舎の価値観の違い。
 未来ネットさんとのお仕事の中で北海道の子どもたちを名古屋に、名古屋のお子さんたちを北海道の鹿追町という所に連れて行くお手伝いをさせて頂いた事があります。
 
高木英次さん
(ホクレン名古屋支店長)

  鹿追の子たちをナゴヤドームの野球の開幕戦に連れて行ったのです。鹿追町は人口1万人位の町ですが、ドームのお客さんは4万人位、ということで、非常に驚いたかと思います。逆に名古屋の子は鹿追で、夏ですと農家の庭先でもぎたてのトウモロコシをその場で茹でて食べる。それがどれほど価値のある事か。冬に連れて行った時、鹿追では「冬に来ても何にもねえよ。雪しかない。」と言われたのですが、こちらの子達にしたら、山のような雪の中で遊べるとは、どれほど感激できることか。
もう一つ、意識の高い消費者と企業人の価値観の違いについてお話しします。
企業人は99%が安全な商品ですよ、とお勧めするわけです。当然国の基準もクリアして法律上も問題ない物で、自信をもってお勧めする。ところが、消費者はそうみない。1%は危険なんでしょ。それを100%にする努力をと、より一層安全なレベルの高いものを要求する。企業はコストもありますんで、一定の基準をクリアすればそれで進歩は止まってしまう。
未来ネットさんとお付き合いしているメーカーさんは、そこで満足せずに、さらに上を目指して努力をしていく。消費者のニーズに応える努力をする事が、結果的に食の安全の進化につながっていくのではないか。
未来ネットさんが、活動をされて40年近くになる。その中では、食の安全に対する影響力を与えてきたのではないかと思うわけです。
これから海外からの食品が入ってくると思いますが日本の食品の安全性にこだわる皆さんの活動が日本の食を守るという風に期待していますので頑張って頂きたいなと思います。

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生産者のお話 @


今吉正登さん
(大山乳業農協酪農御指導部で
主に生産部門に関っています。)
《 酪農指導部 》

 酪農指導部は非常に特殊な部で、酪農指導課と酪農課と2つに分かれており、指導課が一般的に乳質改善とか酪農家さんと相対して経営等のサポートをしています。酪農課は資材、餌を扱っている課で総勢21名おり、3つの専門チームに分かれています。経営コンサルチーム、飼養管理指導チーム、自給飼料生産者支援チームと特化する事によって、より密度の濃い指導が出来ます。
 健土・健草・健牛といいまして、健康な土、健康な草、健康な牛から美味しい牛乳が搾れるという風に思っております。
《 乳牛の健康管理 》

 飼料槽は長年経つと、牛が舐めて穴があいたり、水が溜まったり、くさい臭いがしたりします。我々もお皿が汚いと美味しいご飯も食べられません。写真は御影石を全面に敷詰め飼料槽を修繕しています。
また、飼料米事業にも力を入れております。平成18年位から輸入の粗飼料を減らして、国産の飼料稲を給与するという事でずっと取り組んでいます。飼料米事業は、国の施策でもあり補助金を付けてバックアップして頂いております。飼料稲は刈取り後、ロール状にして、ラッピングして漬物状にして保存します。飼料米は我々人間が食べる米となんら変わらないのですが、もみ殻を被った状態だと未消化で出てきてしまうので、粉砕したり、蒸気を掛けたりして圧片に加工します。加工する事による乳牛の消化スピード、嗜好性といった給与の試験を今2年かけてやっている所です。
血液プロファイルテストもやっておりまして、乳牛の一頭一頭の血液サンプルを採って、γ-GTOとか肝臓の数値とかpHとかを追って健康に問題が無いかを見ていきます。人間と全く一緒です。
《 牛乳の品質 》
 
 ここからは牛乳について、一般的に知られていない事をお話しします。牛乳は、水分が87%位あります。固形分は、乳脂肪分と無脂乳固形分と呼ばれる乳タンパク・乳糖・灰分を足したものです。一般的に牛乳に表示されている物は乳脂肪分4%と無脂乳固形分8.8%で、固形分として約12%位ある訳です。きゅうりは水分が90%近くありますので、それに比べたら牛乳の固形分は非常に多いと思って頂けたら良いと思います。

《 体細胞数 》

体細胞数というのは、乳牛の乳房炎(人間でいう乳腺炎)の指標で、乳房の中に雑菌が入る状態を表しています。体細胞数は、白血球数と乳腺の上皮細胞数を足したもので、我々が問題視しているのは白血球です。乳腺の上皮細胞は、どうしても脱落細胞として落ちてしまうので、ゼロには出来ない。ですから低ければ低いほど本当はいいのですが、バルクという酪農家さんの所で乳を集めている状態で20万以下というのが一般的に大山乳業で正常と言われている範囲です。ところが、全国的に30万以下であるこのレベルを規制緩和という形で40万以下に引き上げる流れがあります。賛同している地区もありますが、大山乳業としては、30万以下というのは当然だということで、体細胞の数字を現状維持していこうと決定しております。

《 体細胞増加による乳成分・味の変化 》

 体細胞が増加すると、乳脂肪と乳糖、乳タンパクの中のカゼインが減ります。カリウムもカルシウムも減少します。特にカルシウムはかなり激しく減少するのが分かります。増加するのは、ホエイ(乳清)、血清アルブミン、ナトリウム、塩素も増えてくるわけです。血液中の成分が移行して、体細胞の高い牛乳は「しょっぱい」と言われます。おいしくない理由として、糖が減少するので甘みが減ってしまうのです。 
それからのど越しが悪い。牛乳中のカゼインミセルというタンパクが減少してしまうとのど越しが悪い、と一般的にはいわれています。実際にどうかと、鳥取県の産業技術センターに協力を仰ぎ、味覚センサーを使って、生乳の体細胞の低いものと高いもので味覚差が出るかというのを計測してみました。センサー自体は非常に優秀です。我々は官能検査をするのですが、やはり人それぞれで大きく違います。このセンサーは先味(さきあじ)と後味に分かれてちゃんと数字が出るようになっています。実際にデータをチャートに落としたのが下のグラフです。


データで見る大山牛乳の
美味しさ!
 最も低い体細胞数の7万を基準として、45万になると、もう塩味が増えて、酸味も増えてくる。92万は、同じく塩味、そして苦味雑味、渋味刺激というのが増えてくるのが分ります。171万、かなり5角形で、8角形がなくなってきているのがはっきりとわかります。乳房炎にかかっている最中の牛は、400万とか500万になることもあります。もう塩味なんて飛抜けてどこかいっちゃってるんです。皆さん、大山乳業の牛乳を選んで、飲んで頂いているわけですが、他社との比較を今日はお見せできないのですが、実際に製品になった時に体細胞数が多いものと少ないものの差ははっきり出るわけです。
《 牛群検定実施率は日本一 》

 牛群検定というのは毎月一回、1頭ずつの乳汁のサンプル、乳量を測ります。それには非常に労力とお金がかかります。ご当地愛知県は20%ぐらいしか検定をされていません。検定をやっているからこそ一頭一頭の乳量とか乳成分、あるいは体細胞数がわかり、早期発見早期治療ができます。そして予防策も我々は酪農家さんと一緒にサポートしいるわけです。牛群検定実施率96.5%っていうのは鳥取県が全国1位で、ここ14〜5年位連続して鳥取県が日本一です。

《 牛乳の旬 》

 最後になりますが、実は牛乳には旬がございます。乳脂肪のグラフですが、夏場はどうしても下がり、冬は徐々に上がっていきます。やっぱり冬は濃いんです。旬はやはり12月〜2月です。夏場は薄い方がいいと言われる方もいらっしゃいますが、生理的に下がってきます。牛は暑さに弱いんで、餌を食べる量が減って、乳成分はどうしても落ちてしまいます。是非そういったところも皆様方には理解をして頂いて、成分無調整の牛乳をご愛飲ご愛好頂きたいというふうに思っております。
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酪農家のお話 A
大山乳業の本所工場は鳥取県の中心の琴浦町。
その南3キロ位に私の牧場があります。

小前孝夫さん
《 鳥取県の酪農家の状況 》

鳥取県の酪農生産組織は一組合であります。一県一組合というのは全国的にもまれでありまして、鳥取県の酪農家は全員、大山乳業の組合員であるという事であります。その組合員と、飼養頭数の推移ですけれども、平成26年12月末で戸数は151戸。出荷戸数は142戸という事で、平成20年に比べて60軒程少なくなっています。ここ数年毎年10名の酪農家の方が離農されているという現状です。
 この会場は女性の方が多いので、当然ご存知だとは思いますが、乳牛といえども赤ちゃんを産んでお母さんにならないとお乳が出ないという事でお母さんになった牛を「経産牛」といっております。その後継牛としてもうすぐ初産分娩を迎える牛から生後間もないお乳を飲む仔牛も含めて「未経産牛」、「育成牛」ともいいますが、その頭数が26年度で経産牛が約6,000頭、未経産牛が3,700頭で約9,700頭の乳牛を育てています。毎年ご覧の通り、減少の傾向にありまして、鳥取県の生産者が一組合になって間もない平成17年度がピークで65,000トン近く出荷量がありましたけれど、今現在は56,000トンで、9,000トン近く出荷量も少なくなっている状況であります。で、その戸数、頭数、もちろん生乳の出荷の減少の大きな理由は飼料の高騰で、非常に収益性が悪くなって、生産意欲が減退しているという事が大きな原因であります。
私、昭和59年に酪農就農しまして30年ですけれども、その頃、配合飼料が45円位だったと記憶しています。平成18年位までは価格は45円位だったと思います。若干安くなったり高くなったりありましたが、それに伴い乳価もほぼ配合飼料の価格に連動していたということもあります。それが平成19年頃から非常に輸入穀類が上がったという事で配合飼料が高くなりました。原因としては穀類がバイオエタノール(燃料)の材料になるという事もあって、非常に不足し、穀類の高騰に伴ってのことであります。
 平成21年〜25年にかけては平成の畜産危機とも呼ばれている程、酪農の経営はひとえに圧迫されて収益性が落ちているのです。
《 小前牧場 》

昨年の7月に、私共の牧場に見学においで頂きました。やはり地域の方と共存するという事が大切だと思っていまして、なるべく牛舎内外を綺麗にという思いで、植木を植えたりしています。そして、一頭一頭のタオルを準備して乳房を奇麗にして搾乳することにしています。お礼が遅れましたけれど、乳房のタオルを送って頂いてありがとうございます。毎日毎日利用させて頂いており、衛生的に搾乳しているところであります。引き続き宜しくお願い致します。
また、昨年は夏の猛暑続きという事もあって、外壁のトタンに遮熱塗料を塗布する事を指導部の援助を頂きながら助成制度を使い取り組んだ所です。遮熱塗料の効果で室内が2〜3℃下がると言われております。30℃以上になると牛は暑さに弱いので、30℃で治まるか32〜33℃になるかというのは重要で、この2〜3℃というのは本当に大きな牛のストレスであります。1℃でも2℃でも温度を下げて牛を快適にしてやる取組みをしています。

↑飼料タンク

刈り取り作業
4月の下旬〜5月の上旬にかけて酪農家というのはこの牧草の収穫の時期であったり、次のトウモロコシの蒔き付けであったり本当に1年で1番忙しい時期であります。
左の下の写真で、トラクターに乗っているのは息子でありまして、収穫をして、1日よく乾燥させて、水分を50〜60%位にした牧草をロールベーダーでなるだけ空気が無いように圧力をかけてロールします。牛舎の近くに持ち帰ったものを、できるだけ等圧をかけた草をラップして空気から遮断する。お漬物、保存食であります。今年の春も250位ロールを作りました。
これからまた、6月の上旬にはイタリアンという牧草の2番草を採ったり、夏草も作るという事で360か400近くのロールを作るように予定していまして、それを1日に1個づつ給与します。
昨年、皆さんがいらっしゃった時は午後5時過ぎだったと思います。(酪農家って、朝夕は本当に忙しくて、見学をお受けする事はないんですが)、夕方の自動給餌機が動いていました。穀類、配合を一頭一頭乳量に合わせて設定できるようなっていますので、一日に5回仔牛に給餌機を回して給与しています。やっぱり回数を多くして少しずつ牛の胃に対する優しい給与ということで、20年間ずっと、このやり方をしている所です。

経営が厳しい中でありまして、収益性を改善するためにどういうことに取り組むのか。健康な牛からじゃないと良い生乳は生産できない。牛を元気で病気のないように管理してやるということが、大切なことであります。先程の遮熱塗料もそうですけど、快適に過ごせるような環境を整えてやるということと、牧草作りも適期に収穫をしてバランスの良い安心な物を給与してやる取組みも大切なことだと思います。

右の写真は削蹄の様子です。 このサンダ―のようなもので、年に2回から3回位蹄(ひづめ)を削ってやるんですよ。 息子と80才になる親父が本当に元気なので、こうして名古屋の方に来させてもらい、交流できるというのも、家族のお陰だなと思っている所です。

    ↑ロールになった飼料

  ↑自動給餌機

  ↑削蹄(ひづめを削る)の様子
★ 「カウィーの恋物語」 ★
昨年初めて酪農家の後継者を対象に大山乳業が主になって婚活を開催しました。酪農家の若い後継者が15名位いますけども、県外からも女性の方が参加して、5組のカップルができ、今1組お付き合いをしています。今年もテーマが「カウィーの恋物語」ということで、若い後継者に良きパートナーができ、生産意欲を高めてくれるようになってほしいなという思いです。こちらの会員の家族のお嬢さん、農業、酪農に興味がありましたら是非参加して頂きたいなと思います。
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